横笛雛の会 代表 つのだやよい氏(北海道)
12月2日発売の「Neo囃子」。ご依頼ありましたので一足早く皆様にレビューお届けします!。
「ーRETSUー」
静けさを切り開くイントロから太鼓と共に突然やってくるつむじ風のような一曲。
速すぎないテンポと笛と太鼓のみのシンプルな構成にもかかわらず全編煌めく疾走感にあふれています。
そしてそのシンプルなアレンジが曲に対する想像を一層掻きたてます。私は静かな湖、時折大声を上げる有珠山、表情豊かな噴火湾がほんのりリンクしました。同じように聴いた人それぞれの風景にリンクすると思います。
佐藤 ぶん太氏が長年大切に培ってきた「お囃子」のエッセンス(遠音さす津軽笛の華やかな音色と太鼓のリズムの絶妙なマッチング)が充分に効いているからなのではと思います。
一見無関係に感じる「現代曲」と「お囃子」。けれどリズムとのマッチング、繰り返されるフレーズの歌い方、音色の根底に「お囃子」がなくては完成しない内容がふんだんに織り込まれています。
みなさま御自身の身近にあるお囃子を振り返りつつ演奏してみるとより深く感じるものがあると思います。楽譜も提供されるとのことですので是非。
RETSU誕生秘話
2017年5月に洞爺湖町で開催した氏の奉納コンサートの際にうっかり「先生の曲は演奏しても拍手もらえないんですよねぇ(難しすぎて)。○○さんの△△だとめっちゃもりあがるんすよ…」とうっかり(ここ重要)こぼしたところ、その年の10月に「作ったよ」とやってきたのがこの曲でした。自分の技術力諸々を棚に上げまくりの失礼極まる弟子の発言にも特大ホームランで返してくれる師匠の太っ腹具合に大変光栄かつ穴があったら入って埋まって木になって二酸化炭素減少に貢献したい気持ちになったことを覚えております。 しかし、わたくしの失礼発言で生まれた曲が今や海を越えた遠い国のみなさまも楽しんでいらっしゃる様子を拝見すると、下心がないってなんて素敵なのかしらと怪我の功名を実感している次第です。ほほほ。
そんな奇跡の一曲「ーRETSUー」も入ったお囃子愛があふれすぎる一枚「Neo囃子」めっちゃおすすめです!。もしかしたらあなたの新しいお囃子が見つかるかもしれません。
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